■ 抄録・要旨
| 21世紀の水環境の状況を想定したうえで、今後の水環境行政のあり方、考え方を展望した。従来の水質環境基準は、人の健康の保護および生活環境の保全を目的としており、行政上の施策を実施する上でよりどころとなる目標基準である。しかし、今後も湖沼や内湾の富栄養化や微量化学物質汚染の多様化・広域化などさまざまな水環境問題が予想される。そこで、生態系を構成する生物の成育・生息をも考慮した新たな水環境評価のあり方を示した。多種の化学物質による影響評価のスクリーニングとしては生物モニタリングが期待される。排水基準についても、汚濁源の多様化・分散化に対してきめ細かく対応がとれるよう法律の枠組を変える必要がある。
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